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The Compass2007年5月号からの記事
HDをめぐるMSOとDBS事業者の喧嘩
HDチャンネルに関してはケーブルTVとDBSのどちらが良いかで,ケーブルTV事業者とDBS事業者が喧嘩を始めている。ことの始めはDirecTVが,同社の方がケーブルTVより多く,画質の高いHDチャンネルを提供しているとのTV広告をした事であった。Time
Warner Cableは,この広告は真実ではないとして訴訟を起こした。訴訟はこれからであるが,法廷はDirecTVに対して,裁判の結果が出るまで,その広告の放送を辞めさせた。DirecTVはすぐに,映画「バック・ツー・ザ・フューチャー」のChristopher
Lloydを使い,「近い将来」にはDirecTVの方がより多くのHDチャンネルを提供するとの広告を始めた。TWCはこの広告も放送中止するように求めたが,「近い将来」と言っているので偽りにはならないとして,要求は認められなかった。
今度は,Comcastがこの争いに参加した。Comcastは新聞,ラジオ等の広告で,309人の視聴者調査の結果,65.5%がComcastのHDの画質がDirecTV,EchoStar(Dish
Network)のHDより優れていると答えたと宣伝をし始めた。この広告ではDirecTVが自社の方がHDチャンネルが多いと言っているのは嘘で,4月24日の午後9:17時にフィラデルフィアではDirecTVは16チャンネルのHDを放送したのに対して,Comcastは200のHD番組の選択肢があったとしている。200にHD番組はには180のVODが含まれている。
DirecTVはこの広告に反論をするであろうし,Comcastの広告ではEchoStarの名前も出ており,EchoStarも無視をする事は出来なくなり,この喧嘩は大きくなりそうである。
OCAPの導入を約束するケーブルTV事業者
CableLabsの発表では主要ケーブルTV事業者のエクゼキュティブは韓国と日本に行き,OCAPのライセンスを受けている松下,Samsung,LGとそれぞれ会い,20008年には本格的にOCAPを導入する事を約束した。STBの標準化規格,OpenCableの一部であるOCAP(OpenCable
Application Platform)はSTBを使った双方向サービスの為のミドルウェアである。ケーブルTV事業者はOCAPを導入する事で,双方向アプリケーションの標準化が行えるので積極的になっている。しかし,OpenCableが可能にするSTB,あるいはSTBを内蔵したTV等のAV製品を開発する家電・PCベンダーの多くはOCAPは将来的に自分たちが提供したいサービスの領域を侵すものだとして,消極的であり,OCAPのサポートを発表している会社はSamsung,LG,松下,船井,三菱等に限られており,ソニー,日立,Dell,Intel,Microsoft等のベンダーはCEAを通じて,FCCに対してOCAPを標準規格から外し,より簡単な双方向プラットフォームの採用をする事を求めている。
地上波を使ったモバイル放送
米国のデジタル放送の規格化が行われた時点ではモバイル放送の考えは無く,ATSCが採用した8-VSB方式ではモバイル放送は不可能と考えられ,QualcommのMediaFLOの様な,地上波放送とは別の帯域を使う,モバイル専用の放送が誕生した。しかし,ATSC規格上でのモバイル向け放送が現実化し始めている。SamsungとドイツのRohde
& Schwarzは2006年のNABでA-VSB(Advance-VSB)と呼ばれる技術を公開し,2006年秋には,ニューヨーク州のバッファローでフィールドテストを行い,今年の1月のCESでもデモがあった。 今年のNABではA-VSBはラスベガスの放送局との協力でデモを行った。このデモではSFN(Single
Frequency Network)と呼ばれる技術が取り入られ,コンベンションホール,パリス・ホテル,ストラタスフィア・ホテルの3カ所に送信機を取り付け,放送局のアンテナだけでは放送を受信しにくい場所でも受信が可能である事がアピールされた。NABのデモでは1
Mbpsの「ハーフレート・エンコーディング」と500
Kbpsの「クウォーター・レート」がデモされた。66マイルで走っている車からの受信テストではハーフレートでは画面がフリーズする事があるが,クウォーター・レートでは問題は無かった。 さらに,今年のNABではこのA-VSBに競合する技術として,LGとHarrisがMHP(Mobile
Pedestrian Handheld)と呼ばれる別の方式を公開した。MHPはすでにオハイオ州のコロンバスで地元放送局との協力で,フィールドテストも行っている。MHPは557
Kbps,あるいは299 Kbpsのビデオを2.2
Mbpsの帯域を使って送る。 これまで地上波局の中でモバイル放送に積極的であったのはSinclair等の数社であったが,デジタル化が2009年2月に迫っている中,関心は高まっており,NABではBelo,Fox,Gannett,Gary,ION,NBC,Sinclair,Tribuneの8つの地上波放送局会社がOpen
Mobile Video Coalition(OMVC)の設立を発表した。OMVCは現時点では特定の方式を押してはいなく,地上波を使ったモバイル放送の技術開発の加速化を目的としている。 この放送局の強い関心を受け,ATSCはATSC-M/H(Mobile/Handheld)と呼ばれる規格化の動きを正式に立ち上げた事を発表した。すでにMediaFLOのサービスが開始されている中,2つの異なる技術で地上波モバイル放送が行われたのでは受け入られる可能性は低く,放送局は標準規格化を求めている。ATSCはM/H規格はハイスピードで行われ,今年の末には規格のドラフト化を行うことを目標にしている。
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