カテゴリー: ‘ニュース: 規制/市場環境’ のアーカイブ
日本はビデオ利用では後進国?
The Nielsen Companyは、世界各国におけるTV/ビデオの視聴傾向を分析した白書を発表した。これによると、日本は、
- 平均を100とした家庭でのTV利用値は84で、世界46位。(トップは香港で109点)
- 平均を100としたHDTVの保有値は50で、世界52位。(トップはオーストラリアで190点)
- 平均を100としたオンラインビデオの視聴値は46で、世界48位。(トップは中国で126点)
- 平均を100とした職場でのオンラインビデオの視聴値は46で、世界48位。(トップは中国で151点)
- 平均を100としたモバイルビデオの視聴値は82点で、世界20位。(トップはフィリピンで182点)
- 平均を100としたタブレットPCの保有に対する関心の値は55点で、世界44位。(トップはパキスタンで209点)
- 平均を100とした3DTVのの保有に対する関心の値は17点で、世界55位。(トップはサウジアラビアで233点)
この白書は、Nielsenからダウンロード可能。
FCCがブロードバンド普及状態の報告を発表
1996年通信法により、FCCには毎年、ブロードバンドの普及状況を報告する事になっている。去年までの5回の報告では、ブロードバンドの普及は順調に進んでいることになっていた。しかし、過去のFCCのブロードバンド普及報告は、通信事業者のマーケティングの数字を鵜呑みにした物だと批判があった。これまでの報告書では、ブロードバンドとは、ダイアルアップ以外の物であり、200 Kbpsでもブロードバンドであった。また、アベイラビリティーにしても、特定の郵便番号に一世帯でもブロードバンドを受ける事が出来れば、その郵便番号の全世帯がブロードバンドを受けられる環境にあるとして計算していた。ジェネコウスキーが委員長になっての最初のブロードバンド普及報告では、調査方法はより現実的な物に変わった。この結果、報告書は、米国の成人中の8000万人は家庭でブロードバンドに加入していなく、1400万~2400万人はブロードバンドが提供されていない地域にいると報告している。また、速度も考慮し、HD画質のビデオを見ることが出来るレベルのサービスを受けているのは2%程度だと報告している。公益団体のFree Press、Media Access Project、この最新の報告書を褒め称えているが、通信事業者のVerizon、AT&T等は、これまでの調査の手法、結果を無視した物だとして、批判をしている。このレポートは、 http://hraunfoss.fcc.gov/edocs_public/attachmatch/FCC-10-129A1.doc より、ダウンロード可能。
アナログ停波が始まる
6月12日の午前12時からアナログ停波が開始した。アナログ停波後、一時的に使っていたデジタルチャンネルから元のアナログに引っ越す局は未明にアナログ停波完了させ、朝にはデジタル放送で再スタートをした。FCCの発表のでは161局が午前12時から6時の間にアナログ停波を行った。239局は午前6時から午後12時に、155局は午後12時から午後6時にアナログ停波を行った。サンフランシスコ・ベイ・エーリアではKNTVとKSTSの2局が午後12時過ぎにアナログ停波した。NBCが持つ、KNTVはアナログ停波後、デジタル移行に関する広報番組を引き続き放送している。ベイ・エーリアの残りの局の殆どは午後11時以降にアナログ停波を行う。全米では391局が午後6時から午後11:59にアナログ停波を予定している。
停波をした局が増えると共に、FCCのコールセンターへの電話が増えている。FCCは4000のオペレーターを配置しているが、西時間で、午前11時頃からFCCのコールセンターの回線がフルになり、すぐにはつながらなくなっている。
アナログ停波の最終チェック
6月12日にアナログ停波を行う放送局の殆ど(約950局)が5月21日に一時的なアナログ停波を行った。停波時間中は、FCCのコールセンターの番号が表示された。FCCは21日に55,000の電話がそのコールセンターにあったと発表した。。最も、電話が多かったのはシカゴで、1,310件、2位はニューヨークで1,277件、3位はダラス・フォートワースで764件であった。5月1日から20日までの1日平均の電話件数は約15,000であった。
FCCはまた、アナログ停波の状況を確認する最終的な会議を開いた。この席で、NTIAはクーポン支給プロクラムは順調であると報告し、CEAの代表はDTVコンバーターの品不足の心配は無いことを明らかにした。
アナログ停波の延長法案が通過
2009年2月17日に通常のテレビ放送を終了した後、30日間、公共メッセージの放送の為にアナログ放送を延長する法案、「Short-Term Analog Flash and Emergency Readiness(SAFER)」法案が11月20日に上院を通過した。これまで、アナログ停波の延期には反対をしてきたブッシュ行政もこの法案の支持をしており、下院で同様な法案が通過されれば、立法化は確実である。サンクスギビング前に下院でも同様法案を通過させる動きがあったが、進まずに、採決はサンクスギビング休暇から議員が戻る、12月8日以降に行われる。
CableCARDの設置台数
ケーブルTV事業者を代表する団体のNCTAはFCCに対する、CableCARD設置状況の定期報告を行い、ケーブルTV事業者が昨年7月のCAS切り離し規制の開始から620万台のCableCARDを搭載したSTBを設置したと発表した。この3ヶ月間だけで、MSOは200万台のCableCARD STBを設置している。しかし、CableCARDの本来の目的である、家電ベンダーから提供されるケーブルTVチューナ内蔵の製品の需要は少なく、これら製品向けにSTB無しで、CableCARDのみの導入は372,000台でしかなく、過去3ヶ月の導入台数は25,000であった。NCTAによると27のベンダーから583の単方向CableCARD対応の製品(Unidirectional Digital Cable Ready Product = UDCP)が出荷されている。
ウィルミントン市がデジタル移行をテスト
FCCは2009年2月17日のアナログ停波に先駆け、ノースカロライナ州のウィルミントン市において今年の9月8日にアナログ停波を行うことを発表した。月曜の昼にウィルミントン市の6つの局の内、公共放送のUNV-TVを除く5局はアナログ放送を終了される。同市には16.8万のTV視聴世帯があり、TV市場としては210地域中135の規模になる。同市の11,746世帯は地上波のみでTVを受信している世帯であり、これら世帯がどの様にアナログ停波に対応し、アナログ停波後にどの様な問題が出るかを調べることで、2009年2月17日に備える。UNV-TVがそのアナログ放送を続ける理由は9月からハリケーンの季節に入り、非常時に備えて、1つのアナログ放送を残しておくため。
Pivotが解消になる
Comcast、Time Warner、Cox CommunicationsはSprint NextelとのジョイントベンチャーのPivotを解消した。PivotはSprint NextelとケーブルTV事業者4社(前記の3社とAdvance Newhouse)が作ったジョイントベンチャーで、ケーブルTV事業者がSprintの携帯電話サービスをMVNOとして再販するだけでなく、モバイル電話とケーブルTVのサービスの融合を目指していた。しかし、携帯電話の再販以上のサービスの登場は遅く、進歩はほとんど無かった。しかし、これでケーブルTV事業者がモバイル電話市場への参入を諦めた訳ではない。ComcastはPivotの解消とほぼ同時に新しい無線サービス部門を設立し、Telefonica O2の元CTOのDave Williamsを迎えた。これらケーブルTV事業者は共同でSpectrumCoとして2006年のAWSオークションで帯域を得ている(SpectrumCoには最初、Sprintも参加したが、後日脱退した)。さらに、Coxは1月の700 MHzオークションでも帯域を購入しており、ケーブルTV事業者は自らモバイルサービスに参入する姿勢を示している。
DBSに対する地上波HD再送信ルール
FCCはDBS事業者に対する地上波HD放送の再送信ルールを決めた。ケーブルTV事業者に対しては再送信義務(Must Carry)があり、アナログ停波後、ケーブルTV事業者はデジタル放送を再送信する必要がある。HDで放送されている番組はHDで再送信する。この他、アナログサービスを提供しているケーブルTV事業者は、番組をアナログ変換し、アナログでも再送信する義務がある。
DBS事業者への地上波再送信は任意であるが、1つのチャンネルでも再送信をした場合、その地域の全チャンネルを再送信しなければならない(Carry One, Carry All)。また、現在ではアナログ地上波放送をデジタル化し、再送信をする事が許されている。地上波のデジタル移行の後の再送信義務として、地上波局を代表するNABはHDによる再送信を求めているが、容量上、現実的ではない。FCCはHD再送信にもCarry One, Carry Allを適用する事を決定した。DBS事業者は地上波再送信をHDで始めた地域では、その地域の全HDチャンネルを再送信しなければならない。しかし、このルールはすぐに適用されるのではなく、徐々に適用される。アナログ停波1年後の2010年2月まではHD地上波再送信を行っている地域の15%で、その地域の全HDチャンネルを再送信しなければならない。この比率は2年目には30%、3年目には60%に引き上げられ、2013年に100%に達する。例えば、現時点でDish Networkは35地域でHD地上波再送信を行っている。15%ルールをこれに適用すると、5地域ではその地域の全HDチャンネルを再送信する必要があるが、残り30地域では視聴率の高いチャンネルだけを選んで再送信を続けることが出来る。
WGAストライキが終了
米国の脚本家組合(Writers Guild of America、WGA)の100日間続いたストライキは2月12日に終了した。脚本家組合はAlliance of Motion Picture and Television Producers (AMPTP)との契約更新において、最低賃金の値上げ,DVDで販売したときの再利用料,インターネット配信時の再利用料,それにアニメーション,リアリティー番組に於けるWGAの管轄の扱いで交渉をしてきたが、行き詰まり,2007年11月5日にストライキに突入した。この中でも大きな問題はDVDも含めたニューメディアにおけるビデオコンテンツの再利用料金であった。現在、脚本家は映画、あるいはTV番組がDVD化された場合、最初の100万本まではグロス収入の0.3%,100万本以降は0.36%を得ている。インターネット等のニューメディアでの配信には再利用料は無い。
WGAはDVDの再利用料金は倍増、そしてインターネットでは配信により得られたグロスの2.5%を求めていた。これに対して,DVDは現状維持、ニューメディアでコンテンツを販売した場合(Electronic Sell Through、EST)はDVDと同じレート、ストリーミング配信は有償,無償,広告のありなしに関係なく,「プロモーション」利用であり,再利用料は払わないとの答えを出した。
WGAがストライキに入っている間に、監督を代表する労使組合のDirectors Guild of America(DGA)もAMPTPとの契約更新の交渉を行っていた。AMPTPはダブル・ストライキは避けたく、また、DGAはすでにインターネット配信の再利用料が契約にあり、WGAより交渉は楽に進んだ。2008年1月17にDGAはESTの場合、TVコンテンツは0.7%、映画は0.65%(それまでの80%増)で合意した。広告付きのストリーミング配信の場合、番組がTVで放送されてから最初の17日間はプロモーション扱いで、再利用料金無し、その後26日間まではTV再放送料金ベースの3%(1時間のプライムタイム番組で約$600)、さらに配信を続ける場合は新たに3%(3%+3%で年合計約$1200)で契約した。
このDGAの契約更新で、WGAとAMPTPの交渉も進み始め、WGAは2月12日にストライキを解除した。ニューメディアでの配信に関しては下記の様になっている。
- ダウンロード(レンタル): 配信者のグロスの1.2%
- ダウンロード(販売)(EST): TV番組の場合、最初の10万本までは配信者のグロスの
- 0.36%、それ以降は0.7%。劇場映画の場合は最初の5万本まで、0.36%で、それ以降が0.7%。DVD販売も同じ。
- 劇場映画の広告付きストリーミング: 配信者グロスの1.2%
- ストックTV番組の広告付きストリーミング: 配信者グロスの2%
- 新TV番組の広告付きストリーミング: ほぼDGAと同じ
これで、TVから新しい番組を消してしまったWGAのストライキは終わったが、再利用料の問題が完全に解決した訳ではない。これから、映画俳優を代表するScreen Actors Guild(SAG)とテレビ俳優を代表するAmerican Federation of Television and Radio Artists(AFTRA)の契約更新の交渉が開始しようとしており、ここでもニューメディアの再利用料は重要なポイントになる。