カテゴリー: ‘ニュース記事’ のアーカイブ

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モバイル放送の技術テストが完了

地上波放送局が作ったモバイル放送を推進するための団体、Open Mobile Video Alliance(OMVA)は3月と4月にラスベガスとサンフランシスコでATSCの規格候補の技術のテストを行った。ATSCのM/H(Mobile/Handheld)規格としてはSamsungとRohde & Schwartzの開発したA-VBS、HarrisとLGのMHP、それにThomsonとMironasが共同開発した技術が争っている。個々の技術の結果は発表されていないが、OMVAモバイル放送の電波は約40マイル届き、既存のTV放送への干渉は全くないと発表している。OMVCは今年の夏の終わりか、秋に実際のユーザを使ったマーケット・テストを行い、どの様なサービスとして提供するかを調査する。最初の時点では地上波放送と同じ番組を流すが、将来的にはケーブルTVネットワークのプログラミングを放送する、有料コンテンツを放送する等も検討されている。

英国でのHD化

英国のテレビ放送のデジタル化はFreeviewと呼ばれる、地上波の多チャンネル化で行われているが、HD放送向けの容量は無かった。英国の放送を含む、メディア管理当局のOfcomは新たに最大4つのHDチャンネルを提供可能にする計画を発表した。HD向けのチャンネルは現在のマルチプレックスBをマルチプレックス1、2、Aに割り当て直すことで行われる。マルチプレックスBはFreeveiwの開始時にBBCに割り当てられた。新たなマルチプレックスBの容量の一部はBBCに提供され、BBC HDチャンネルが放送される。その他のHDチャンネルは入札システムで、他の事業者に割り当てが決められる。OfcomはMPEG-4、DVB-T2を使い、容量を有効化し4つのHDチャンネルを提供するが、HD化が進んでいる中、4つのHDチャンネルしか放送されない事に対する批判もある。

DBSに対する地上波HD再送信ルール

FCCはDBS事業者に対する地上波HD放送の再送信ルールを決めた。ケーブルTV事業者に対しては再送信義務(Must Carry)があり、アナログ停波後、ケーブルTV事業者はデジタル放送を再送信する必要がある。HDで放送されている番組はHDで再送信する。この他、アナログサービスを提供しているケーブルTV事業者は、番組をアナログ変換し、アナログでも再送信する義務がある。

DBS事業者への地上波再送信は任意であるが、1つのチャンネルでも再送信をした場合、その地域の全チャンネルを再送信しなければならない(Carry One, Carry All)。また、現在ではアナログ地上波放送をデジタル化し、再送信をする事が許されている。地上波のデジタル移行の後の再送信義務として、地上波局を代表するNABはHDによる再送信を求めているが、容量上、現実的ではない。FCCはHD再送信にもCarry One, Carry Allを適用する事を決定した。DBS事業者は地上波再送信をHDで始めた地域では、その地域の全HDチャンネルを再送信しなければならない。しかし、このルールはすぐに適用されるのではなく、徐々に適用される。アナログ停波1年後の2010年2月まではHD地上波再送信を行っている地域の15%で、その地域の全HDチャンネルを再送信しなければならない。この比率は2年目には30%、3年目には60%に引き上げられ、2013年に100%に達する。例えば、現時点でDish Networkは35地域でHD地上波再送信を行っている。15%ルールをこれに適用すると、5地域ではその地域の全HDチャンネルを再送信する必要があるが、残り30地域では視聴率の高いチャンネルだけを選んで再送信を続けることが出来る。

DBS衛星打ち上げの明暗

DirecTV 11号の打ち上げは3月17日から19日に延期されたが、Boeing 702型の打ち上げは成功した。DirecTV 11号はDirecTV社の10個目の衛星で、9月から運用が開始される予定。この衛星の打ち上げの成功で、DirecTVのHDチャンネル放送の容量は大きくと増え、150の全米HDネットワークに加え、100以上の地域で地上波HD放送の再送信が可能になる。DirecTVは2009年にさらなる衛星を打ち上げ、200の地域で地上波HD放送の再送信を行う予定。現在、DirecTVは92の全米HDネットワークを放送し、77の地域で地上波HD放送の再送信を行っている。
HDのチャンネル数ではDirecTVに差を付けられ、シェアを失い始めているDish Networkも新しいKuバンドの衛星、AMC-14の打ち上げを行ったが、これは失敗した。AMC-14はSES Americomが持ち、Dish Networkが利用する予定であった。Dish Networkの全米HDネットワーク数は50程度で、AMC-14により、これを70~100に増やし、DirecTVに競争する予定であったが、この打ち上げ失敗で、Dish NetworkのHD戦略は大きなダメージを受けた。

AT&TがMediaFLOを開始

AT&Tは5月よりMediaFLOを使ったモバイルTV放送のサービスを開始する。AT&TはMediaFLOとの契約を2007年2月に行い、サービスは2007年末から2008年初めに開始の予定であったが、開始されていなかった。その後、AT&TはAloha Partnersから同社がモバイル放送目的で購入した700 MHz帯を購入した事から、AT&Tは独自でモバイル放送のサービスを検討しているとの噂もあった。AT&TはCBS Mobile, Comedy Central, ESPN Mobile TV, FOX Mobile, MTV, NBC 2GO, NBC News2Go, Nickelodeonのチャンネルを提供する。サービスが開始される地域、価格は発表されていない。

DTVコンバーターの一部は仕様を満たしていない

ATSCチューナを製造しているMicrotuneは販売されているDTVコンバーターの一部はNTIAの仕様を満たしていないとのテスト結果を発表した。National Telecommunications and Information Administrationは米国政府が配布する$40のDTVコンバーター購入クーポンで購入可能な製品の使用を決めている。しかし、テストは行われていなく、それぞれが自己テストを行う事になっている。Microtuneは販売されている60以上のDVTコンバーターの内、同社のチューナを使った製品は全て仕様を満たした性能を持っているが、他社のチューナを搭載した5製品は仕様を満たしていないとの結果を発表した。これを受け、NTIAはMicrotuneのテスト結果を調べ、本当に問題がある可能性があれば、製品の抜き打ち調査を検討すると発表した。

WGAストライキが終了

米国の脚本家組合(Writers Guild of America、WGA)の100日間続いたストライキは2月12日に終了した。脚本家組合はAlliance of Motion Picture and Television Producers (AMPTP)との契約更新において、最低賃金の値上げ,DVDで販売したときの再利用料,インターネット配信時の再利用料,それにアニメーション,リアリティー番組に於けるWGAの管轄の扱いで交渉をしてきたが、行き詰まり,2007年11月5日にストライキに突入した。この中でも大きな問題はDVDも含めたニューメディアにおけるビデオコンテンツの再利用料金であった。現在、脚本家は映画、あるいはTV番組がDVD化された場合、最初の100万本まではグロス収入の0.3%,100万本以降は0.36%を得ている。インターネット等のニューメディアでの配信には再利用料は無い。

WGAはDVDの再利用料金は倍増、そしてインターネットでは配信により得られたグロスの2.5%を求めていた。これに対して,DVDは現状維持、ニューメディアでコンテンツを販売した場合(Electronic Sell Through、EST)はDVDと同じレート、ストリーミング配信は有償,無償,広告のありなしに関係なく,「プロモーション」利用であり,再利用料は払わないとの答えを出した。

WGAがストライキに入っている間に、監督を代表する労使組合のDirectors Guild of America(DGA)もAMPTPとの契約更新の交渉を行っていた。AMPTPはダブル・ストライキは避けたく、また、DGAはすでにインターネット配信の再利用料が契約にあり、WGAより交渉は楽に進んだ。2008年1月17にDGAはESTの場合、TVコンテンツは0.7%、映画は0.65%(それまでの80%増)で合意した。広告付きのストリーミング配信の場合、番組がTVで放送されてから最初の17日間はプロモーション扱いで、再利用料金無し、その後26日間まではTV再放送料金ベースの3%(1時間のプライムタイム番組で約$600)、さらに配信を続ける場合は新たに3%(3%+3%で年合計約$1200)で契約した。

このDGAの契約更新で、WGAとAMPTPの交渉も進み始め、WGAは2月12日にストライキを解除した。ニューメディアでの配信に関しては下記の様になっている。

  • ダウンロード(レンタル): 配信者のグロスの1.2%
  • ダウンロード(販売)(EST): TV番組の場合、最初の10万本までは配信者のグロスの
  • 0.36%、それ以降は0.7%。劇場映画の場合は最初の5万本まで、0.36%で、それ以降が0.7%。DVD販売も同じ。
  • 劇場映画の広告付きストリーミング: 配信者グロスの1.2%
  • ストックTV番組の広告付きストリーミング: 配信者グロスの2%
  • 新TV番組の広告付きストリーミング: ほぼDGAと同じ

これで、TVから新しい番組を消してしまったWGAのストライキは終わったが、再利用料の問題が完全に解決した訳ではない。これから、映画俳優を代表するScreen Actors Guild(SAG)とテレビ俳優を代表するAmerican Federation of Television and Radio Artists(AFTRA)の契約更新の交渉が開始しようとしており、ここでもニューメディアの再利用料は重要なポイントになる。

Dish Networkの成長が鈍る

Dish Networkの加入者数は2007年末で1378万世帯で、前年同期の1310万世帯から675,000増えた。しかし、2007年第4四半期の加入者増加数は85,000と低く、前年同期の350,000より、75%の減少であった。Dish Networkの新規加入者減少の大きな理由はHDチャンネルの不足と思われている。Dish Networkは2007年末の時点で、約70のケーブルTVチャンネル(全国チャンネル)と34の地域で地上波HDの再送信を行っていた。HDのチャンネル数としては特に少なくは無い。Dish Networkの問題はそのHDチャンネルの多くはCablevisionが立ち上げ、失敗したHD専用のDBSサービス、VOOMから引き継いだ物で、ニッチ系のチャンネルが多く、値段の割に魅力が少ない事である。Dish NetworkはケーブルTV、DirecTVより安く、豊富なチャンネルを提供する事をそのアピールにしてきたが、HDでは安くもなく、豊富でも無い。Dish NetworkのCEOのチャールス・エーガンは同社がHDへの投資に遅れを取った事を認め、2008年末までにHD全国チャンネルを100にし、100の地域でHD地上波再送信を提供する事を約束した。この為に、3月に打ち上げられるAMC-14のトランスポンダーをリースし、夏と秋には自社でEchoStar XIとCiel2の2つの衛星を打ち上げる。

ABCがスポンサー付きVODを拡大

ABCは2007年秋からCox Communicationsのオレンジ群のシステムで、ABCのTV番組をスポンサー付きで無料VODとして提供するテストを行ってきたが、2月に同様なサービスを他の多チャンネル事業者にも提供する事を発表した。ABCが広告を売る以外、1つの番組に対して1つのプロモーションスポットを多チャンネル事業者に提供し、30分毎に30秒のスポット広告をその地域のABC放送局に提供する。ABC局に対してスポット広告を提供する事で、ABCがVODを行うことで、地上波局の広告収入に与える影響を懸念する声に対応している。

PEGチャンネルのデジタル移転問題

ケーブルTVはDirecTVに追いつこうとHDチャンネル数を増やそうとしている。しかし、帯域の上限があり、チャンネル数を増やすことは簡単に出来ない。最も簡単なソルーションはアナログで放送されているチャンネル数を減らし、デジタル帯域を増やすことである。しかし、ポピュラーなチャンネルを無くす事は、アナログサービスへの加入者を怒らせることになる。アナログで送信する事を辞めても影響が少ないのは視聴率の低いチャンネルである。どのチャンネルが視聴率が低いか? 答えはPEGチャンネルである。PEGはPublic、Education、Governmentの頭文字から来ており、ケーブルTV事業者がフランチャイズ契約の一環として、自治体に無償で提供している、公共放送のチャンネルである。自治体によっては、ケーブルTV事業者とPEGチャンネルの契約があっても、公共放送を行っていない場合もあるが、多くの自治体では市議会の中継をしたり、コミュニティーカレッジの講義を放送したり、何らかの形で、1、2チャンネルはPEG放送をしている。 続きを読む »

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