2007年のアーカイブ
The Compass 2007年12月号目次
ニュース&アナリシス
- マーチン会長対ケーブルTV業界
- HDの現状
規制/市場環境
- ケーブルTVの加入者は減少,DBSの加入者は増える
- 700 MHz帯域の競売関連のニュース
- EchoStarがDish Networkに社名変更 続きを読む »
HDの現状
HDTVの普及台数は大きくと成長している。PricewaterhouseCoopersによると普及世帯数は2006年末の1400万から2007年には2500万に達する。Horowitz AssociatesによるとデジタルケーブルTV加入世帯の内35%,DBS世帯の内の31%がHDTVを保有している。
ケーブルTV,DBS,IPTV事業者はHD放送をめぐり,熾烈な争いを始めている。最初は提供するHDチャンネルの数が争いの中心であった。HD放送を増やすために新たに4つの衛星の打ち上げを行っているDirecTVは積極的にそのHD放送に於ける優位性を宣伝し始めた。2006年末にDirecTVはNFL Networkで放送される一部のアメリカン・フットボールの試合はDirecTVではHDで視聴出来るが,ケーブルTVでは出来ない事をそのTV広告で宣伝した。ケーブルTV事業者は黙っていない。Time Warner Cableは,そのニューヨーク市のシステムではNFL NetworkはHDで放送されているとして,DirecTVを偽りの広告をしていると訴えた。DirecTVは次に,同社の方がケーブルTVよりHDチャンネルの数が多い事を訴えるTV広告を流し始めた。Time Warner Cableはまたも訴訟を起こし,これを差し止め,Comcastは逆に(VODを加えると)同社の方がDirecTVより多くのHD番組を提供している事を誇張する広告キャンペーンに出た。 続きを読む »
MovieBeamが(また)閉鎖
復活したMovieBeamの宿命は,結局最初と同じであった。地上波放送のデータキャストを使い,HDDを搭載した専用STBに映画を蓄積する疑似VODサービスのMovieBeamは最初,Disney子会社のBuena Vistaが2003年に立ち上げた。サービスは3都市で提供されたが,STBの月額レンタル料金$7ドル,プラス,ビデオ1本あたり,$3~$4ドルのサービスは普及せず,2005年に閉鎖された。2006年にMovieBeamはDisneyからスピンオフされ,Intel,Cisco等の会社の投資により復活した。ビジネスモデルは若干変わり,STBはレンタルではなく,$200ドルの買い取りになった。また,HD画質で映画を提供する事も売り物としたが,他の用途には使えないSTBを購入し,さらに,VOD料金を払うビジネスモデルはまたも成功する事は出来なかった。MovieBeamはそのサービスを2007年12月15日で閉鎖する事を発表した。
進むATSCのモバイル放送規格
800以上の地上波放送局で構成されるOpen Mobile Video Coalition(OMVC)はATSCに対してATSC-M/H(Mobile/Handheld)と呼ばれるデジタル地上波放送を使ったモバイル放送の規格作りを急がしている。OMVCは地上波局のオーナーである,ION, Belo, Fox, Gannett, Gray, NBC/Telemundo, Sinclair, Tribune, Cox, Dispatch, Freedom, LIN, Meredith, Media General, Post-Newsweek, Raycom, Schurz, Association of Public Television Stationsで構成されている。OMVCのゴールは2009年2月のアナログ停波までにATSC-M/Hの規格化を完了させ,2009年第2四半期にはサービスを開始させることである。
TSC-M/Hは高速で走る車からでもクリアな画像を受信出来る事を目標としている。既存のATSCの帯域内で,通常の放送に影響を与えずにこの目的を達成する必要がある。ATSCに提出されているソルーションはLGとHarris社のMPH,Samsung,Rohde & Schwarz,NokiaのA-VSB,それにThomsonとMicronasの3グループである。フィールドテストはこの冬から2008年春まで行われ,2008年5月か6月にはどの技術が採用されるかの基本的な決定を行う。
BT Visionの利用者は7万を超す
BTは同社が提供するIPTVサービスのBT Visionの利用者数は7万を超え,さらに3万世帯が注文し,導入を待っていると発表した。BT Visionはデジタル地上波サービスのFreeviewのチューナを持ち,オンデマンドのビデオを提供する。BTはこれまで同社のエンジニアがSTBの導入を行っていたが,セルフ・インストレーションのオプションも提供し始めた。セルフ・インストレーションのパッケージにはComtrend社の電灯線LANのルーターが含まれ,利用者はハブとSTBの接続を電灯線で行える。セルフ・インストレーションのオプションは30ポンドで,BTによる導入より60ポンド安い。
動き始めるアナログ停波
英国ではデジタル放送が開始されてから9年経っている。アナログ停波は2012年の予定で,それに向け,ホワイトヘーブンで10月16日にBBC 2のアナログ放送が停波した。英国に於けるアナログ放送の停波はこれが最初。ホワイトヘーブンでは残りのアナログ放送のBBC 1,ITV1,Channel 4を11月14日に終了させる予定。
スウェーデンではスコーネで10月15日に最後のアナログ放送が終了した。スウェーデンではゴトランドで2005年9月に最初のアナログ停波が行われ,2008年2月が完全なアナログ停波の予定であったが,予定より早くデジタル移行が終了した。
全国的にアナログ停波が行われたのはルクセンブルグ,オランダ,そしてスウェーデンの3ヶ国になる。しかし,ルクセンブルグでは国内向けの放送はデジタルに完全移行したが,フランス向けへのアナログ放送がまだ続いており,100%アナログ停波とは言えない。オランダはケーブルTVの普及が95%を越しており,地上波放送のデジタルへの移行を待たずに,アナログを停波する事が出来た。
GoogleとNielsenがTV広告で協力
EchoStarのTV広告販売を始めているGoogleと全米最大の視聴者調査会社のNielsenが広告販売で協力する事を発表した。Googleは今年の5月からDBS事業者のEchoStarのスポット広告の一部をそのウェブ広告のAdWordsと同様のインタフェースを使った,オークション形式で販売を開始している。Google TV AdsはSTBからのデータを集めることで,広告の視聴率等を翌日には提供するが出来たが,Nielsenはこれにデモグラフィックデータを加える事で,広告主はどの様な視聴者が広告を見ているかの情報も一緒に提供する事が可能になる。GoogleはこのGoogle TV Adsを他の事業者にも売り込もうとしており,TV視聴者データを独占しているNielsenの協力は大きなメリットになる。GoogleとNielsenはこれ以外の協力も話し合っているとしているが,詳細は発表されていない。
11.3%の世帯がHDを視聴
Nielsen社が発表した統計では全米の1.13億のTV世帯の内,HDが表示可能なTVセットとHDが受信可能なチューナを持っているのは13.7%で,実際に1つ以上のHDチャンネルを視聴している世帯は11.3%であった。米国で最もHD受信可能世帯が多いのはロサンジェルスで,20.4%の世帯がHD受信可能であった。実際にHDを視聴している世帯が多いのはニューヨークで,17.5%がHDを視聴している。また,NielsenはHDTVを持っていてもHD放送を受信可能なチューナを持たない世帯が21%もあると発表している。
CEAがは発表した統計ではHDTVの世帯普及率は2007年7月で32%であり,NielsenのHDTV+HDチューナとHDTVのみの世帯を合計した34.8%に比較的に近い数字となっている。多チャンネルサービスへの加入が多いアメリカでは,HDTVを持っていても,STBがHDではない世帯も多い。CEAの推定ではHDTVを持っている世帯で,実際にHD番組を視聴しているのは,HDTVを持っている世帯の44%となっている。
AT&Tが25億ドルで700 MHz帯を購入
アナログ停波により空く,700 MHz帯域の競売は2008年1月に開始の予定だが,AT&Tは一足先に全米の人口の75%をカバーする規模の700 MHz帯域を25億ドルで購入した。この281マーケットに於ける12 MHzの帯域はAloha Partnersが2001年,2003年の競売,そして,その後の買収で得た物である。Aloha PartnersはケーブルTV分野のベテランを含む投資家で構成され,この帯域を使い,Hiwireと呼ばれるモバイルTVサービスを計画していた。AT&Tの買収は,帯域に含め,このHiwire部門を含んでいる。これにより,HiwireがT Mobile USAとの共同で計画していたラスベガスでの24チャンネルのモバイルTVのテストはAT&Tが引き継いで行うことになる。 続きを読む »