2008年3月のアーカイブ

The Compass 2008年4月号目次

ニュース&アナリシス

DBSに対する地上波HD再送信ルール

FCCはDBS事業者に対する地上波HD放送の再送信ルールを決めた。ケーブルTV事業者に対しては再送信義務(Must Carry)があり、アナログ停波後、ケーブルTV事業者はデジタル放送を再送信する必要がある。HDで放送されている番組はHDで再送信する。この他、アナログサービスを提供しているケーブルTV事業者は、番組をアナログ変換し、アナログでも再送信する義務がある。

DBS事業者への地上波再送信は任意であるが、1つのチャンネルでも再送信をした場合、その地域の全チャンネルを再送信しなければならない(Carry One, Carry All)。また、現在ではアナログ地上波放送をデジタル化し、再送信をする事が許されている。地上波のデジタル移行の後の再送信義務として、地上波局を代表するNABはHDによる再送信を求めているが、容量上、現実的ではない。FCCはHD再送信にもCarry One, Carry Allを適用する事を決定した。DBS事業者は地上波再送信をHDで始めた地域では、その地域の全HDチャンネルを再送信しなければならない。しかし、このルールはすぐに適用されるのではなく、徐々に適用される。アナログ停波1年後の2010年2月まではHD地上波再送信を行っている地域の15%で、その地域の全HDチャンネルを再送信しなければならない。この比率は2年目には30%、3年目には60%に引き上げられ、2013年に100%に達する。例えば、現時点でDish Networkは35地域でHD地上波再送信を行っている。15%ルールをこれに適用すると、5地域ではその地域の全HDチャンネルを再送信する必要があるが、残り30地域では視聴率の高いチャンネルだけを選んで再送信を続けることが出来る。

DBS衛星打ち上げの明暗

DirecTV 11号の打ち上げは3月17日から19日に延期されたが、Boeing 702型の打ち上げは成功した。DirecTV 11号はDirecTV社の10個目の衛星で、9月から運用が開始される予定。この衛星の打ち上げの成功で、DirecTVのHDチャンネル放送の容量は大きくと増え、150の全米HDネットワークに加え、100以上の地域で地上波HD放送の再送信が可能になる。DirecTVは2009年にさらなる衛星を打ち上げ、200の地域で地上波HD放送の再送信を行う予定。現在、DirecTVは92の全米HDネットワークを放送し、77の地域で地上波HD放送の再送信を行っている。
HDのチャンネル数ではDirecTVに差を付けられ、シェアを失い始めているDish Networkも新しいKuバンドの衛星、AMC-14の打ち上げを行ったが、これは失敗した。AMC-14はSES Americomが持ち、Dish Networkが利用する予定であった。Dish Networkの全米HDネットワーク数は50程度で、AMC-14により、これを70~100に増やし、DirecTVに競争する予定であったが、この打ち上げ失敗で、Dish NetworkのHD戦略は大きなダメージを受けた。

AT&TがMediaFLOを開始

AT&Tは5月よりMediaFLOを使ったモバイルTV放送のサービスを開始する。AT&TはMediaFLOとの契約を2007年2月に行い、サービスは2007年末から2008年初めに開始の予定であったが、開始されていなかった。その後、AT&TはAloha Partnersから同社がモバイル放送目的で購入した700 MHz帯を購入した事から、AT&Tは独自でモバイル放送のサービスを検討しているとの噂もあった。AT&TはCBS Mobile, Comedy Central, ESPN Mobile TV, FOX Mobile, MTV, NBC 2GO, NBC News2Go, Nickelodeonのチャンネルを提供する。サービスが開始される地域、価格は発表されていない。

DTVコンバーターの一部は仕様を満たしていない

ATSCチューナを製造しているMicrotuneは販売されているDTVコンバーターの一部はNTIAの仕様を満たしていないとのテスト結果を発表した。National Telecommunications and Information Administrationは米国政府が配布する$40のDTVコンバーター購入クーポンで購入可能な製品の使用を決めている。しかし、テストは行われていなく、それぞれが自己テストを行う事になっている。Microtuneは販売されている60以上のDVTコンバーターの内、同社のチューナを使った製品は全て仕様を満たした性能を持っているが、他社のチューナを搭載した5製品は仕様を満たしていないとの結果を発表した。これを受け、NTIAはMicrotuneのテスト結果を調べ、本当に問題がある可能性があれば、製品の抜き打ち調査を検討すると発表した。

The Compass 2008年3月号目次

ニュース&アナリシス

  • アナログ停波まで1年
  • デュアル・マストキャリーに対する訴訟
  • 低出力局をどう救うか
  • 小さいケーブル局は生き残れるか

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WGAストライキが終了

米国の脚本家組合(Writers Guild of America、WGA)の100日間続いたストライキは2月12日に終了した。脚本家組合はAlliance of Motion Picture and Television Producers (AMPTP)との契約更新において、最低賃金の値上げ,DVDで販売したときの再利用料,インターネット配信時の再利用料,それにアニメーション,リアリティー番組に於けるWGAの管轄の扱いで交渉をしてきたが、行き詰まり,2007年11月5日にストライキに突入した。この中でも大きな問題はDVDも含めたニューメディアにおけるビデオコンテンツの再利用料金であった。現在、脚本家は映画、あるいはTV番組がDVD化された場合、最初の100万本まではグロス収入の0.3%,100万本以降は0.36%を得ている。インターネット等のニューメディアでの配信には再利用料は無い。

WGAはDVDの再利用料金は倍増、そしてインターネットでは配信により得られたグロスの2.5%を求めていた。これに対して,DVDは現状維持、ニューメディアでコンテンツを販売した場合(Electronic Sell Through、EST)はDVDと同じレート、ストリーミング配信は有償,無償,広告のありなしに関係なく,「プロモーション」利用であり,再利用料は払わないとの答えを出した。

WGAがストライキに入っている間に、監督を代表する労使組合のDirectors Guild of America(DGA)もAMPTPとの契約更新の交渉を行っていた。AMPTPはダブル・ストライキは避けたく、また、DGAはすでにインターネット配信の再利用料が契約にあり、WGAより交渉は楽に進んだ。2008年1月17にDGAはESTの場合、TVコンテンツは0.7%、映画は0.65%(それまでの80%増)で合意した。広告付きのストリーミング配信の場合、番組がTVで放送されてから最初の17日間はプロモーション扱いで、再利用料金無し、その後26日間まではTV再放送料金ベースの3%(1時間のプライムタイム番組で約$600)、さらに配信を続ける場合は新たに3%(3%+3%で年合計約$1200)で契約した。

このDGAの契約更新で、WGAとAMPTPの交渉も進み始め、WGAは2月12日にストライキを解除した。ニューメディアでの配信に関しては下記の様になっている。

  • ダウンロード(レンタル): 配信者のグロスの1.2%
  • ダウンロード(販売)(EST): TV番組の場合、最初の10万本までは配信者のグロスの
  • 0.36%、それ以降は0.7%。劇場映画の場合は最初の5万本まで、0.36%で、それ以降が0.7%。DVD販売も同じ。
  • 劇場映画の広告付きストリーミング: 配信者グロスの1.2%
  • ストックTV番組の広告付きストリーミング: 配信者グロスの2%
  • 新TV番組の広告付きストリーミング: ほぼDGAと同じ

これで、TVから新しい番組を消してしまったWGAのストライキは終わったが、再利用料の問題が完全に解決した訳ではない。これから、映画俳優を代表するScreen Actors Guild(SAG)とテレビ俳優を代表するAmerican Federation of Television and Radio Artists(AFTRA)の契約更新の交渉が開始しようとしており、ここでもニューメディアの再利用料は重要なポイントになる。

Dish Networkの成長が鈍る

Dish Networkの加入者数は2007年末で1378万世帯で、前年同期の1310万世帯から675,000増えた。しかし、2007年第4四半期の加入者増加数は85,000と低く、前年同期の350,000より、75%の減少であった。Dish Networkの新規加入者減少の大きな理由はHDチャンネルの不足と思われている。Dish Networkは2007年末の時点で、約70のケーブルTVチャンネル(全国チャンネル)と34の地域で地上波HDの再送信を行っていた。HDのチャンネル数としては特に少なくは無い。Dish Networkの問題はそのHDチャンネルの多くはCablevisionが立ち上げ、失敗したHD専用のDBSサービス、VOOMから引き継いだ物で、ニッチ系のチャンネルが多く、値段の割に魅力が少ない事である。Dish NetworkはケーブルTV、DirecTVより安く、豊富なチャンネルを提供する事をそのアピールにしてきたが、HDでは安くもなく、豊富でも無い。Dish NetworkのCEOのチャールス・エーガンは同社がHDへの投資に遅れを取った事を認め、2008年末までにHD全国チャンネルを100にし、100の地域でHD地上波再送信を提供する事を約束した。この為に、3月に打ち上げられるAMC-14のトランスポンダーをリースし、夏と秋には自社でEchoStar XIとCiel2の2つの衛星を打ち上げる。

ABCがスポンサー付きVODを拡大

ABCは2007年秋からCox Communicationsのオレンジ群のシステムで、ABCのTV番組をスポンサー付きで無料VODとして提供するテストを行ってきたが、2月に同様なサービスを他の多チャンネル事業者にも提供する事を発表した。ABCが広告を売る以外、1つの番組に対して1つのプロモーションスポットを多チャンネル事業者に提供し、30分毎に30秒のスポット広告をその地域のABC放送局に提供する。ABC局に対してスポット広告を提供する事で、ABCがVODを行うことで、地上波局の広告収入に与える影響を懸念する声に対応している。

  • CESの変化
    2012年のCESの入場者は153,000人で、過去44年のCESの歴史で最大の数となった。出展社数は3,100を越え、面積も186.1平方フォートと過去最大であった。CESは、家電製品では常に大きな展示会であったが、1 […]
  • スマートTVの動向
    スマート(あるいはコネクテッド)TVが今後のトレンドであることは明らかある。The Diffusion Groupが行った調査では、HDTVを6ヶ月以内に購入する予定の世帯の78%はスマートTVを検討しており、3D対応T […]
  • ホワイトスペース網がスタート
    ノースカロライナのウィルミントン市で、ホワイトスペース(TV放送で使っていないチャンネル帯域)を使ったブロードバンドサービスが正式にスタートした。現在、FCCが認証しているホワイトスペースの通信機はKTS Wireles […]
  • タブレット利用者が急増加
    昨年のサンタクロースのプレゼントの多くはタブレットであった。Pew Internet & American Life Projectの調査結果によると、2011年12月中旬から2012年1月中旬の間に、アメリカの […]
  • Netflixに対する集団訴訟
    Netflixの株主は、同社に対する集団訴訟を起こした。訴訟は、Netflixの値上げとそのPRの失敗により、株価が下がった事に対してではなく、値上げをしなければならなくなっていたことを隠していた事に対して行われた。訴え […]
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