2008年5月のアーカイブ
The Compass 2008年5月号目次
ニュース&アナリシス
- NAB Showの進化
- 脚本家ストライキのインパクト
- 誰でもがスポット広告を買える? 続きを読む »
Pivotが解消になる
Comcast、Time Warner、Cox CommunicationsはSprint NextelとのジョイントベンチャーのPivotを解消した。PivotはSprint NextelとケーブルTV事業者4社(前記の3社とAdvance Newhouse)が作ったジョイントベンチャーで、ケーブルTV事業者がSprintの携帯電話サービスをMVNOとして再販するだけでなく、モバイル電話とケーブルTVのサービスの融合を目指していた。しかし、携帯電話の再販以上のサービスの登場は遅く、進歩はほとんど無かった。しかし、これでケーブルTV事業者がモバイル電話市場への参入を諦めた訳ではない。ComcastはPivotの解消とほぼ同時に新しい無線サービス部門を設立し、Telefonica O2の元CTOのDave Williamsを迎えた。これらケーブルTV事業者は共同でSpectrumCoとして2006年のAWSオークションで帯域を得ている(SpectrumCoには最初、Sprintも参加したが、後日脱退した)。さらに、Coxは1月の700 MHzオークションでも帯域を購入しており、ケーブルTV事業者は自らモバイルサービスに参入する姿勢を示している。
地上波を使った新サービス
Sezmi(セズミー)は地上波を使った新しいマルチチャンネル・ビデオサービスをこの夏から開始すると発表した。地上波デジタル放送の空き容量を使ったサービスはこれが始めてではない。地上波局はそれぞれ、19.4 Mbpsの伝送容量を持っているが、HD放送でもこれを全て使うことは無く、SDだけであれば、約15 Mbpsのあまりがある。US Digital Television社(USDTV)は地上波放送局と契約し、これら放送局の空いた容量を使い、主要なケーブルTVチャンネルを有料で提供するサービスを2005年末に開始した。月額20ドルのサービスはソルトレーク市,ダラス,ラスベガス,アルバカーキで提供されたが、十分な加入者を得ることは出来なく、2007年4月に同社は倒産し、サービスは閉鎖になった。Sezmiの基本的なビジネスモデルはUSDTVと同じであるが、伝送にはブロードバンドも加えている。そのFlexCastでは、生放送、あるいは視聴率の多い番組は地上波で放送するが、視聴者の少ない番組とVODはブロードバンドで配信する。 続きを読む »
ICOもモバイルTVを狙う
ICO Global Communicationsはその大規模衛星のG-1の打ち上げに成功した。G-1は高さ27フィートの衛星で、40フィート近いアンテナ、幅100フィートのソーラーパネルを持つ巨大な衛星で、元は音声とブロードバンド通信を提供する為に開発されてきた。しかし、Iridumを含め、衛星を使った音声とブロードバンドサービスを狙った事業は失敗した。ICO Globalは計画を変更し、この衛星を使い、DVB-SH(DBV-Satellite services to Handheld)ベースのモバイルTVサービスを提供する事になっている。まだ、ICOは衛星通信の穴を埋める為の1500~2000の地上トランスミッターを設置する必要があり、サービスが開始出来るのは2009年になる。QualcommのMediaFLOが大きな競合であるが、ICOは携帯電話の様な小さな画面ではなく、500 kbpsのチャンネルを生かし、より大きな画面を持つ自動車エンターテイメント市場を狙う。ICOの衛星は双方向機能を持ち、自動車向けにインタラクティブなナビゲーション機能を提供する事も出来る。ICO Global、それにWiMAX事業者のClearwireは共にクレイグ・マッコウの会社であり、ICOとClearwireはICOの衛星通信とCleawireのWiMAXを使ったハイブリッド・システムの開発も検討している。
モバイル放送の技術テストが完了
地上波放送局が作ったモバイル放送を推進するための団体、Open Mobile Video Alliance(OMVA)は3月と4月にラスベガスとサンフランシスコでATSCの規格候補の技術のテストを行った。ATSCのM/H(Mobile/Handheld)規格としてはSamsungとRohde & Schwartzの開発したA-VBS、HarrisとLGのMHP、それにThomsonとMironasが共同開発した技術が争っている。個々の技術の結果は発表されていないが、OMVAモバイル放送の電波は約40マイル届き、既存のTV放送への干渉は全くないと発表している。OMVCは今年の夏の終わりか、秋に実際のユーザを使ったマーケット・テストを行い、どの様なサービスとして提供するかを調査する。最初の時点では地上波放送と同じ番組を流すが、将来的にはケーブルTVネットワークのプログラミングを放送する、有料コンテンツを放送する等も検討されている。
英国でのHD化
英国のテレビ放送のデジタル化はFreeviewと呼ばれる、地上波の多チャンネル化で行われているが、HD放送向けの容量は無かった。英国の放送を含む、メディア管理当局のOfcomは新たに最大4つのHDチャンネルを提供可能にする計画を発表した。HD向けのチャンネルは現在のマルチプレックスBをマルチプレックス1、2、Aに割り当て直すことで行われる。マルチプレックスBはFreeveiwの開始時にBBCに割り当てられた。新たなマルチプレックスBの容量の一部はBBCに提供され、BBC HDチャンネルが放送される。その他のHDチャンネルは入札システムで、他の事業者に割り当てが決められる。OfcomはMPEG-4、DVB-T2を使い、容量を有効化し4つのHDチャンネルを提供するが、HD化が進んでいる中、4つのHDチャンネルしか放送されない事に対する批判もある。