BSkyBがAmstradを買収
英国のDBS事業者のBSkyBは英国のSTBベンダーのAmstradを1.25億ポンドで購入する事を発表した。PCクローンベンダーとして一時有名であったAmstradはSTBに転向し,SkyグループのSTBの30%を提供している。米国ではEchoStarが自社向けのSTBの開発を行っているが,この買収でSkyグループも自らSTB会社を持つことになる。
ケーブル業界が「Must Buy」規制の廃止を求める
ケーブルTV業界はFCCに対して,地上波再送信に加入しない加入者にはケーブルTVチャンネルを売ることは出来ないと言う,地上波再送信の「Must Buy」規制を廃止する事を求めている。ケーブルTVにおいては地上波再送信が基本サービスであり,そのサービスに加入しない世帯に対してはCNN,ESPN等のケーブルTVチャンネルの販売をする事は許されていない。しかし,同じ多チャンネルサービスのDBSでは地上波再送信はオプションであり,加入者は再送信無しでサービスに加入する事が出来る。ケーブルTV事業者はDBSと同じ条件にするべき事を求めている。FCCは地上波再送信をオプションとする事は地上波放送に大きなインパクトを与える可能性があるとして,この要求には否定的である。議会も否定的であるが,一部ではコンシューマの選択の自由を認める上で,この要求に賛成の声もある。
Amp’dが倒産,Modeoは撤退
Verizonのネットワークを使ったMVNOのAmp’dが倒産し,サービスは7月30日で停止された。Amp’dはMNVOのパイオニアの1社で,主に若い男性層を主体に,豊富なビデオを特徴としたサービスを提供してきた。約20万の加入者がおり,同社は加入者は増え続けていると言っていたが,7月23日時点で銀行には9000ドルの現金しかなった。加入者は増えても,支払いをしない加入者が多いのが破綻の原因の1つと言われている。
携帯電話向けのビデオ放送のサービスを計画していたCrown Castleの子会社,Modeoはこの計画から撤退する事を発表した。携帯電話のアンテナサイトを運営するCrown Castle社は同社が2003年に購入した1675~1675 MHz帯を使ったDVB-Hのモバイル放送サービスを計画し,今年の初めからニューヨーク市でテストサービスを行ってた。しかし,QaulcommのMediaFLOは先にサービスを始め,さらに大手携帯電話事業者のVerizon,AT&Tと契約をし,Modeoに対して大きなリードを持っていた。Crown CastleはMediaFLOとの競合は不可能と判断し,Modeo計画から撤退し,その周波数帯域はTelcom VenturesとColumbia Capitalが作ったベンチャーに年1300万ドルでリースをする。MediaFLOの競合としてはAloha PartnersのHiwireがラスベガスでテストを始めた他,地上波デジタル放送を使ったモバイル放送の規格化が進められている。
HiWireが24チャンネルのモバイル放送をテスト
現在,700 MHz帯では最大の帯域を持つ,Hiwire社はSES Americomとの協力で,ラスベガスにおいて24チャンネルのモバイルビデオ放送のテストを行う事を発表した。HiwireはSES Americomがフィードする,Discovery,Animal Planet,MTV,Comedy Central,VH1,Fox News Channel等のケーブルTVチャンネルをDBV-Hでモバイル端末向けに放送する。端末には専門の端末が使われ,携帯電話事業者としてはT Mobileが協力する。
STBのCAS内蔵禁止規制が始まる
1996年通信法の通過から11年後に,やっとケーブルTVのSTB開放が動き始めた。FCCは2007年6月29日に,ケーブルTV事業者代表のNCTAが求めていたSTBへのCAS内蔵規制の延期を拒否し,規制は7月1日から実施になった。1996年通信法は,ケーブルTV市場開放の一部として,STBをケーブルTV事業者以外も提供出来るようにする事を求めている。STBの標準化を可能にするために,FCCはCASをPCMCIAカードで提供し,STBにCASを内蔵する事を禁止する規制を作ったが,これまで延期されて続けて来た。
FCCはNCTAの要求に加え,ケーブルTV事業者が個々に提出してきたローエンドのSTBへの規制の適用の除外の要求を否定した事で,7月1日からケーブルTV事業者がレンタル提供する全てのSTBにCASを内蔵する事が禁止になった。唯一,この規制の適用の除外を受けたのはすでに100%デジタル化した事業者,あるいは2009年2月17日以前に完全なデジタル化が完了する事業者であり,オレゴン州のBendBroadband,アラスカのGCI,テキサスのOneSource等が2009年2月までのデジタル化にコミットをし,規制免除を得た。VerizonのFiOS TVも殆どデジタルであるが,アナログTVでもSTB無しで一部のチャンネルを受信可能にする為に,アナログでの再送信も行っている。Verizonは2007年2月17までにこのアナログでの同時再送信を止める事を約束し,規制から免除された。
AT&TのU-Verse TVは完全なデジタルであり,この除外措置の適用を受けることが出来るが,AT&TはFCCに申請を行っていない。これに対して,AT&Tはこれまで同様に,IPTVはケーブルTVでは無いので,この規制とは無関係と発表している。FCCはIPTVはケーブルTVではないとの判断はされていなく,許可を受ける必要があると言っている。
ケーブルTV事業者が提供するSTBはこれで標準仕様になるが,この規制が目的としている,STBの事業者以外からの提供はまだ始まっていない。STBの標準規格としてOpenCableがあり,単方向のチューナに関してはCEAが標準規格として認め,それを内蔵したテレビは出荷されてている。しかし,単方向のチューナはIPG,VOD等には対応していなく,これら製品は売れていない。家電ベンダーは双方向のOpenCable規格の一部となっているOCAPと呼ばれるミドルウェアの機能範囲が広すぎるとして,採用を拒否しており,双方向機能を持つデジタルケーブルTV対応のテレビはまだ出荷されていない。
1996年通信法が求めるSTBの開放が実現する為には,FCCはNCTAとCEAの間を取り持ち,双方向STBの規格への合意に持ち込まなければならない。
DirecTVとEchoStarがClearwireと契約
DirecTV,EchoStarは2005年末にWiMAXを使い,トリプルプレーを行う構想を発表したが,6月にClearwireと契約を交わし,やっと実現へ動き出した。DBS事業者のDirecTVとEchoStarは双方向性のあるネットワークを持たないことからトリプルプレー,あるいは双方向サービスを提供する事が出来なかったが,13州の39市場でWiMAXサービスを提供し,さらにライセンスを増やそうとしているClearwire社とクロスマーケティングの契約を結んだ。DirecTVとEchoStarはその加入者に対対して,ClearwireのWiMAXサービスを売り,Clearwireはその加入者にDirecTVとEchoStarのビデオサービスを売る事が出来る。Clearwireは携帯電話サービスのパイオニアとして知られるクレッグ・マッカウの会社。
デジタルチューナ無しのTVへの罰金
2009年2月に迫ったデジタル放送への移行をスムーズに進めるために,FCCはデジタルチューナ無しのTVの販売を止めさせる事に対して真剣になり始めた。FCCは過去2年でデジタルチューナの義務付けを進め,今年の3月で全てのTVに対して,デジタルチューナが義務化されている。しかし,今でもアナログチューナしか搭載していないTVは,輸入され,店舗に出回っている。FCCは最近,この義務化に違反して72,000台のアナログTVを輸入したSyntax-Brillian社に対して,290万ドルの罰金を言い渡した。罰金の金額は入荷したTVの台数により違い,1台~100台では1台あたり$50から,5万台以上では1台あたり,$250にスケールアップする。
FCCはまた,5月25日よりアナログしか受信出来ないTVを売る場合,その付近にアナログTVでは2007年2月17日移行は放送が受信出来なくなるとの通知を提示する事も義務化した。この義務は店舗だけでなく,オンラインショップにも適応さる。FCCは6月にBest Buy,Circuit City,CompUSA等の主要チェーンに対して,この通知を怠った場合は1日あたり,$11,000,最大で$97,000の罰金になるとの警告を出した。
National Showの話題はOCAP
The Compass 07年6月号からの記事
5月7日からラスベガスで開催されたケーブルTV事業者の最大の展示会,NCTA(National Cable Telecommunications Association)のNational Showの大きな話題はOCAP(OpenCable Applications Platform)であった。ケーブルTV事業者はOCAPを2007年から2008年にかけて採用する事を発表した。そのシステムの70%で Scientific Atlanta製のヘッドエンドを使っている,Time WarnerはSAヘッドエンドの環境ではすでにSamsung製のOCAP対応のSTBを導入し始めている事を発表し,Motorola製のシステムで も年内にテストを開始し,2008年には導入を開始する。Coxは2つのマーケットでOCAPのサブセットである,On-Ramp to OCAPのテストを行っている事を発表した。On-Ramp to OCAPは既存のSTBを使い,基本的なOCAPアプリケーションを走らせることを可能にする。
増えていく州単位でのフランチャイズ
The Compass 07年6月号からの記事
これまでケーブルTVのフランチャイズ権は自治体単位で行われてきた。フランチャイズ契約を交渉する手間,時間がかかる事が市場参入の妨害に なっていることを電話事業者が指摘して来たのに対して,州単位でケーブルTVフランチャイズを得ることを可能にする様に州法を書き換える州が増加してい る。5月に新たにフロリダとアイオワが州単位でのフランチャイズ法を採用し,ネバダでも同様な法が通過し,州知事の署名を待つ状態になっている。これまで にすでに,カリフォルニア,インディアナ,カンザス,ミシガン,ミズーリ,ニュージャージ,ノースカロライナ,サウスカロライナ,テキサス,バージニアが 州単位でフランチャイズを取れるようにする法を通過させている。