TandbergがMPEG-2の効率を高める
新しいコンプレッション製品と言うとHD放送向けのMPEG-4 AVCと思うが、Tandbergは新しいSD向けのMPEG-2の製品を発表した。帯域不足に悩む多チャンネル事業者、特に、既存のSTBを容易にリプレースする事の出来ない、ケーブルTV事業者とDBS事業者に取り、MPEG-2の圧縮率を高められる事は朗報である。TandbergのEN8100は既存と同等の画質で15%、良ければ30%高い効率で圧縮が出来る。EN8100を使うことで、SD放送に使う帯域を減らし、その分、HDチャンネルを増やす事が出来る。EN8100は圧縮効率が高いだけでなく、既存の製品より50%小さく、消費電力も50%低い。
IPTV: 加入者アップデート
- TeliaSoneraのTVサービスへの加入者数は2009年第1四半期で688,000に達した。この内、509,000はIPTVサービスへの加入者であった。IPTVの内訳はスウェーデンが333,000世帯、フィンランドが10,000世帯、デンマーク2,000世帯、リトアニア81,000世帯、それにエストニアが83,000世帯であった。同社のケーブルTVサービスへの加入世帯数はフィンランドに175,000世帯とエストニアに4,000であった。
- ポーランドの電話事業者、TPSAが提供するTVサービスへの加入者は3月末で、198,000に達した。その内訳はIPTVが86,000、最近開始された衛星放送のOrangeが162,000であった。
- オランダのKPNは第1四半期に60,000の加入世帯をそのTVサービスに加え、総加入世帯を835,000とした。KPNはIPTVとDTTのサービスを提供しているが、その内訳は発表されていない。推定では殆どの加入世帯はそのデジタル地上波プラットフォームのDigitenneで、IPTVへの加入者は96,000でしかない。
- クロアチアのT-Hrvastki Telecomが提供するIPTVサービス、MAXtvの第1四半期の加入者は150,953世帯であった。
- SwisscomのIPTVサービス、Bluewinの加入者数は第1四半期で139,000世帯であった。
- イタリアのFastwebはその加入者が1,542,300世帯に達した事を発表した。しかし、その内の何世帯がIPTVサービスに加入しているかは発表されなかった。2008年末時点でのFastwebのIPTV加入者は200,000世帯であった。
アナログ停波: アップデート
すでに2月17日、あるいはそれ以前に641局がアナログ停波を完了させており、今後、1085局がデジタル移行を完了させる必要がある。FCCはその内の158局が、新しい期日である6月12日以前にアナログ停波を行うことを申請していると発表している。FCCはそれぞれの申請を検討し、その許可を行うかを決定する。次にアナログ停波が可能になる日程は4月16日で、158局中の75局程度がこの日にアナログ停波を行うことを希望している。
Comcastの新VODアーキテクチャー
Comcastは新たなVOD配信のアーキテクチャーを検討している。同社はそのVODのタイトルを10万以上に増やす、「Project Infinity」を発表しているが、このアーキテクチャーはその実現化に必要となる。現在、Comcastはサービス地区に複数VODのサーバーセンターを設置している。例えば、フィラデルフィアだけで、13のVODセンターがあり、それぞれがほぼ同じ内容のビデオを蓄積している。このアーキテクチャーでは10万本のVODタイトルに対応する事は困難である。Comcastは新たに2つのスーパーセンターをウェスト・チェスター(ペンシルバニア)とデンバーに設置する。それぞれ、東側、西側の市場を担当し、また、お互いのバックアップを行う。ビデオは自動的に階層式に分散され、頻繁にアクセスされるビデオはヘッドエンド、あるいはハブのサーバーにキャッシュされる。基本的にインターネットでのコンテンツ配信ネットワークと同じ構成である。
このアーキテクチャーはまた、全国レベルでの広告の挿入も可能にする。Comcastが計画中の放送中の番組を録画し、放送中だけに再スタートを可能にする「Start Over」のサービスもこのスーパーセンターで行われる。現在、ComcastはMotorola、それにSeaChangeのVODサーバーを採用している。
Verizon: STBアプリでiPhoneモデルを採用
VerizonはFiOS TVのSTB上で走るアプリケーション(ウィジェット)の提供にWidget Bazaarと呼ばれるiPhoneのアプリのストアモデルを採用する事を発表した。Verizonは自社製のFacebook、Twitterへのアクセスを提供するアプリケーション等に加え、サードバーティーのアプリケーションもWidget Bazaarで提供する予定。Verizonは既存のケーブルTVには存在しない機能である事を強調している。
これに対して、ケーブルTV事業者の研究開発機関のCableLabsもケーブルTVのSTB向けのtru2way、それにEBIFのアプリケーションを提供するストアモデルを検討していると発表した。しかし、CableLabsは、1ベンダーだけのApple、あるいはVerizonとは異なり、複数のMSOをサポートする事は容易ではないと認めている。
AT&T CruiseCastがベンダーを発表
自動車向けのモバイルTVサービスを立ち上げるAT&TとRaySatのCruiseCastはそのサービス提供に採用するサービスと機器ベンダーを発表した。衛星事業者はIntelsatで、ST Electronicsが見通し線が遮られる問題に対応する技術を提供する。車内レシーバーはHyundaiが提供し、NDSがCAS、ミドルウェア、インテグレーションサービスを提供する。ビデオエンコーダーにはHarmonicが採用される。車載アンテナは当然、RaySat社製である。
AT&TはCruiseCastのサービスとして、Disney Channel, Toon Disney, Discovery Kids, Animal Planet, Nickelodeon, Cartoon Network Mobile, USA, Comedy Central, MSNBC, CNN Mobile Live, CNBCを含む22のビデオチャンネルと20のラジオチャンネルを提供する。
セミナーのご案内 – 米国アナログ停波延期の波紋
2009年2月17日に、一気にアナログからデジタルへと移行を完了させるはずであったアメリカのアナログ停波計画は挫折した。アメリカ政府は、最後になってアナログ停波の期日を6月12日へと延期した。これにより、2月18日までには全米の放送局約3分の1がアナログ停波を行い、残りは6月12日までに移行を完了させる事になった。2011年に予定されている日本のアナログ停波にも、この計画の失敗は様々な影響をもたらすことになるであろう。
この講義では、この延期の背景、失敗の要因、その影響、そして地上波放送局が抱える今後の課題を分析する。
2月17日のアナログ停波
アナログ停波は6月12日に延期になったが,数多くの局が予定通りに2月17日に停波を行った。FCCは17日にアナログ停波を希望する放送局は2月9日までにFCCに申請をする事を命じた。これに対して、491の局が停波の申請を提出した。FCCはその内、368局の停波を認めるが、123局に対してはその停波は問題をきたす可能性があるとして一時、拒否をする。これら局の停波を全て認めた場合、主要な放送局の全てが停波される地域が出てくるからである。
FCCは主要な放送局が全てアナログ停波希望している地域にスタッフを派遣し、放送局と協議を行った。この結果、一部の局はアナログ停波の延期をする、あるいは停波後もアナログで公共メッセージを流す事を了解し、最終的にFCCは421局に対して、アナログ停波の許可を与え、これらの局は2月17日にアナログ放送を終了させた。先行テストを行ったウィルミントン、環境上の理由で停波を早めたハワイ等を含め、すでに220の局がアナログ停波を行っており、2月17日で、641局、全米の放送局の36%がデジタル移行を完了させた事になる。