2011年NAB展示会

地上波放送局(ラジオとTV)を代表するNational Broadcaster Association(NAB)の展示会がラスベガスで4月に開催された。NABの発表によると、参加者は92,708人で、2010年の88,044人から5%の増加があった。1月にやはりラスベガスで開催された家電ショーのCESは140,000人の参加者で、前年から17%の増加があった。

NABを構成する会員は、地上波放送局であり、その展示会も当然、地上波放送向けの製品とサービスが主体である。放送市場が地上波放送主体から、多チャンネルサービス、そしてオーバー・ザ・トップ(インターネット)ビデオに進んでいる事で、NABの地位は不安定になっている。放送機器展とは言っても、ケーブルTV事業者向けの機器、サービスは、NABではなく、NCTA(National Cable Telecommunications Association)のCable Showが対象になる。また、オーバー・ザ・トップ・ビデオが大きな話題であるが、放送局への脅威となっているNetflix等がNABに展示するのは不自然である。NAB展示会は映像機器の展示会であるが、地上波放送への競合となる物は、展示しにくいため、展示会としてのNABの立場が曖昧になっているとも言える。

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