ComcastとAppleの交渉の背景

Appleがリニア番組の配信をするためにComcastと交渉をしているとの噂が出ている。AppleとTime Warner Cableは、TWCが行っているケーブルTVチャンネルのブロードバンドでのサイマルキャストのサービスで、タブレット、ゲーム機、Roku等に加えて、Apple TVも利用可能にする為の話し合いをして来た。ComcastによるTWCの買収が予定されている中、Comcastと同様な交渉をする事は不思議ではない。どの様な交渉がされているかは分からないが、この背景には3つの大きなポイントがある。

1つはリニア放送の重要性とその為の契約の難しさである。再利用コンテンツのストリーミングのサービスは誰でも提供をする事が出来る。金があれば、Netflixの様にDisneyとの独占契約も出来る。しかし、 新番組を放送/配信する契約をOTT事業者が得る事は容易ではない。インターネットを使ったバーチャル・ケーブルTVのサービスをIntelが諦めたのもコンテンツ契約の難しさが原因の1つになっている。しかし、新番組を提供する事無しでは魅力的なサービスは出来ない。
いくらAppleが素晴らしいビデオ視聴のデバイスを作ることが出来ても、コンテンツが無ければ成功はしない。コンテンツでの差別化の為に、Netflix、Amazonの様にオリジナル番組に投資をして行くのも1つの方法である。もし、リニアで放送されている新番組の配信を提供したいのであれば、既存の多チャンネル事業者との契約も選択肢である。

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