さよなら、Redbox
Chicken Soup for the Soul Entertainment(CSSE)は連邦破産法11章による再生を目指していたが、社員の給料も出せなくなり、7条による破産処理に変更になった。これにより、アメリカのビデオ市場にインパクトを与えたRedboxとCrackleのサービスが終了となった。
CSSEは1993年の自己啓発本で大成功し、2013年にテレビ番組と映画の制作に参入した。Screen Media、Popcornflix、Crackle、Sonar Entertainment、1091 Pictures、Redbox等を相次ぎに買収するが、どれもヒットさせることが出来なく、$10億ドル近い負債が出来る。2023年度の経営赤字も$6.4億になり、7月10日に1000人の従業員を解雇し、Redbox、Crackle等のサービスを終了させ、破産した。
WBDが分離を検討
Warner Bros. Discovery(WBD)は2021年にAT&Tから分離されたWanerMediaとDiscovery Communicationsが合併して出来た会社だが、分離が検討されている。理由は株価が下がっているためで、同社の時価総額は過去1年で3分の2になっている。WBDには合併時の出来た$390億の借金があり、Paramount Globalのように買収の対象にはなりにくい。成長分野を別会社にすることで、株価の上昇を期待している。
検討されているのは放送(多チャンネル向けネットワーク)事業と、映画スタジオ/ストリーミング事業の分離である。成長が鈍っているが、キャッシュフローはある放送分野に借金を押し付け、成長の可能性が高い映画とストリーミングの会社を作ることである。新しい会社は借金無しで、再スタート出来、株価は上昇するはずである。
バンドルはチャーンを減らすか
SVODサービスのバンドルが増えている。7月にDisney+、Hulu。それにWarner Bros. Discovery(WBD)のMaxのバンドルが$17で開始した。価格は、個別での加入より35%近く安い。SVOD同士のバンドルだけでなく、多チャンネルサービス、それにブロードバンド・サービスとのバンドルも登場している。CharterはDisney+、Paramount+等をケーブルTVサービスに無料でバンドルしている。Comcastは加入者に対して、Peacock、Netflix、Apple TV+を$15で提供しており、Verizonのブロードバンド加入者は$10で① NetflixとMax、② Disney Bundle(Disney+、HuluとESPN+)、③ YouTube Premium、④ Walmart+(Paramount+含む)、⑤ Apple One、⑥ Apple Music Familyのいずれかを追加できる。
広告無しと広告付きプランの違い
SVODには広告が無いのが当たり前であったが、広告付きSVODへの加入者が急速に増えている。Antennaによると、広告付きSVODプランの加入者は2022年Q1では28%であったのが、2024年Q4では38%に増え、新規契約に占める広告付きプランの率は56%になっている。広告付きプランが増える共に、広告無しとの価格差も広がっている。最も価格差が大きいサービスはHuluで、広告付きは$7.99、広告無しは17.99で$10の差がある。