HBO MaxがQuibiに続くSVODサービスの大きな失敗になるとの意見が出ていた。HBO Maxの登録者数はQ3で860万人、12月には1260万人に達したことが発表された。これがすべて新規登録であれば、順調と言える。しかし、3000万世帯いる有料チャンネルのHBO加入者は無料でMaxに登録出来、それに500万以上と推定されていた、以前のSVODサービスのHBO Now加入者もMaxに乗り換えが可能である。さらにAT&Tの多チャンネルサービス、それに一部のモバイルサービスの加入者も無料で加入することが出来ることを考慮すると登録数が1260万人は低い。
若い視聴者のスポーツ番組離れ
23歳以下の世代(Generation Z)はスポーツを見なくなっており、スポーツリーグ、それにスポーツ放送に取り、大きな問題になり始めている。Morning Consultが行った調査(http://bit.ly/3rlS91E)では自分はスポーツファンだと答えた人は全体では63%であったのに対して、Gen Zだけでは53%と10%ポイント低かった。また、スポーツファンだと答えたGen Zでもスポーツ試合のライブ視聴はスポーツファンとして重要であると答えた人は25%と低い。スポーツファン全体では44%が重要と答えている。
さよなら、CableCARD
まったく無意味な規制であったCableCARDの採用義務が終了になった。ケーブルTV STBにセキュリティ機能(CAS)を内蔵するのではなく、着脱可能にする規制は1996年の通信法から生まれた。1996年通信法は固定電話と同様にケーブルTVもサービスと家庭内の端末(STB)の提供を分離する事を決め、STBを市販可能にすることを求めた。
ベータマックス裁判の再考
10月に音楽関係の著作権管理を行っているRIAA(Recording Industry Association of America)は、ソースコードのホスティングをしているGitHub(2018年にMicrosoftが買収)に対して、YouTube-dlとその派生プログラムの削除(テイクダウン)を求めた。YouTube等のサイトからコンテンツのダウンロードを可能にするYouTube-dl等はDRMを回避しており、著作権法のセクション1201に触れていると言うのがRIAAの言い分である。これに対して、Electronic Frontier Foundationの弁護団はYouTube-dl等はYouTube等のコンテンツの技術的な保護は回避していないと判断し、11月にGitHubはこれらソフトウェアの公開を再開した。この騒動は1984年のベータマックス裁判を思い出させる。