Quibiのコンセプトはモバイルオンリーであったが、コネクテッドTVのサポートを求める声が多く、QuibiはApple TV、Fire TV等のストリーミング・プレーヤ向けのアプリ開発を急いていた。10月20日にApple TV、Fire TVとAndroid TV向けのアプリが発表された。しかし、時すでに遅く、その2日後にQuibiは撤退を発表した。12月1日が最後になる。サービスは4月にスタートしたので、7ヶ月も経たずに降参し、サービス自体は9ヶ月間の短い寿命となる。
T-MobileがvMVPDサービスを開始
AVODとSVODは競合しない
AVODサービスの利用が大きくと増えている。FoxのTubiの利用者は3300万人、ComcastのXumoは2400万人、ViacomCBSのPluto TVは2650万人と発表されている。Roku Channelの利用者は4300万人で、視聴出来るプラットフォームはRokuだけでなく、9月にはiOSとAndroidのアプリが加わり、10月にはFire TVでも利用可能になった。これにより利用者はさらに増えているであろう。Ampere Analysisによると2020年Q3では17%のインターネット・ユーザが月に1回以上AVODサービスを利用していた。前年のQ3では13%であった。AVODのライブラリーも豊富になっており、OTTビデオサービスのライブラリー時間では、トップ5中の3つはAVOD サービスである。Foxが買収しているTubiの合計ライブラリー時間はNetflixよりも多く、Amazon Prime Videoに続く2位になっている。AVOD利用が増えることで、SVODサービスの利用が減っていくとの予想もあるが、Ampere Analysisの調査ではSVODとAVODでは利用層が異なっている。
戻らないスポーツファンとSinclairの問題
COVID-19はスポーツに大きな影響を与えた。試合は中止になり、テレビからもスポーツ番組が消えた。スポーツファンは再開を待ち望み、Magidが5月に行った調査では50%以上のファンはスポーツ放送が戻ったら、これまで以上にスポーツ中継を見ると答えた。スポーツリーグ、チーム、TVネットワークには嬉しい答えで、実際に7月にMLBが再開した最初の試合の視聴者数は400万人で、2017年の370万人を超えて、記録を作った。しかし、これは持続せず、その後の視聴者は落ちている。NFLの最初の週の視聴数は2019年から8%のダウンであった。