司法省がT-Mobile/Spring合併を許可

司法省と5つの州司法長官はT-MobileがSprintのプリペイド事業、一部の周波数帯域等をDish Networkに売る事を条件にT-MobileとSprintの合併を許可した。T-MobileとSprintの合併の問題は全米規模のモバイル通信事業者が4社から3社になることであり、それにより競争が減り、料金が高くなっていくことが懸念されている。

Dishを第4の通信事業者にすることが目的であり、条件はT-Mobile/SprintがDishに対して:

  • Boost Mobile、Virgin Mobile、Sprint Prepaidを含む、Sprintのプリペイド事業を売却する(合計加入者数は約900万人)
  • 800 MHz帯域を売却する
  • 2万以上の基地局、数百の販売店の権利を譲渡する
  • 7年間のMVNO契約を提供する

FuboTVの差別化要因

vMVPD(OTTでの多チャンネルサービス)は厳しい市場である。現時点での加入者はSVODだけでは不満足で、多チャンネルサービスに加入したいが、ケーブルTVほどの料金は払いたくない人たちであり、大きな市場にはなっていない。だが、数多くの会社が参入しており、さらにその内の5社はAT&T/DirecTV Now、Disney/Hulu TV、Google/YouTube TV、Dish Network/Sling TV、Sony/PlayStation Vueの大企業である。FuboTVのようなスタートアップには難しい環境だが、FuboTVは加入者を増やしている。

業界のトップはこの市場の先駆者のSling TVで242万の加入者がいる(2019年6月)。2位はHulu with Live TVで200万人、3位はDirecTV Nowで132万人である。FuboTVは30万人で6位だが、市場では2番めに古いPlayStation Vueの加入者は80万人であり、スタートアップとしては健闘している。

CBSとViacomの再合併

CBSとViacomの再合併の交渉が再スタートしている。Viacomは1952年のコンテンツ制作部門のCBS Filmsとしてスタートしたが、1971年にネットワークによるコンテンツ部門の保有が禁止されたことで、Viacomとしてスピンオフされた。2000年にCBSとViacomは合併し、Viacom社になるが、関係は長く続かない。CBSとViacomの経営陣は対立し始め、株価も落ちていく。

Viacomの親会社のNational Amusement Inc.(NAI)は2005年にCBSとViacomを分離する。Viacomは当時は成長していたケーブルTVネットワークのMTV、Nickelodeon等を得て、CBSは足かせになっていた「成長の少ない」事業を押し付けられる。成長の少ない事業とは地上波ネットワークのCBSとThe CW(WarnerとのJV)、地上波局、CBSラジオ、屋外広告のCBS Outdoor、出版会社のSimon & Schuster、アミューズメント・パークのParamount Parksで、多チャンネルサービス向けネットワークのおすそ分けとしてShowtimeとCBS College Sports(今のCBS Sports)を得る。

低いATSC 3.0の認知度

ATSC 3.0の問題の一つにその呼び名がある。ATSC 3.0は規格の名称であり、一般的では無い。ほとんどの人は現在の規格がATSC 1.0である事も知らないので、3.0には意味がない。コンシューマ向けの名称はNext Gen TVである。しかし、なぜかNABはNextとGenの間にスペースを入れるが、ATSCはスペース無しのNextGen TVと書き、統一性がない。コンシューマにはNext Gen TVをどれほど知っているであろうか。Hub Entertainment Researchの「Evolution of TV Sets」(http://bit.ly/2Y9mV2L)によると、知っているのは(よく知っていると少し知っているの合計)は17%でしか無い。Next Gen TVがまだ製品化されていないので、知られていなくても仕方がない。製品化されている8K TVと同じと言うことは悪い数字では無いのかも知れない。