同じ多チャンネルサービスでもケーブルTVと衛星放送では地上波再送信の規制が異なる。ケーブルTVでは再送信は義務である。ケーブルTV事業者はサービス地域のすべてのフル出力局の再送信をする必要性があるので、「Must Carry」と呼ばれている。衛星放送では1700以上ある地上波局の再送信は困難であったのでMust Carryはない。しかし、ある地域で再送信を始めた場合、いくつかの局を再送信するのではなく、その地域の全局を再送信する義務があり、これは「Carry One, Call All」とも呼ばれる。
新Foxは「Power of Now」
Disneyに映画会社の20th Century Fox、ケーブルTVネットワークのFX、National Geographic等を売った21st Century FoxはFox Corporationとして再スタートした。Foxの資産は地上波のFoxネットワークとMyNetworkTV、28の放送局、多チャンネルのFox News等を持つFox News Group、それにFox Sports等を持つFox Media Groupとなる。
映画、ドラマ資産を売ったので、Foxは他のコンテンツは事業者の様にSVODサービスを始めようとしていないことは明らかである。Foxが残した資産は地上波放送、ニュース、スポーツと、すべてライブ性の強いものであり、新Foxの経営陣はこれを「The Power of Now」と呼んでいる。
SinclairがDisneyのRSNを買う
地上波局会社のSinclairがDisneyから21の地域スポーツネットワーク(Regional Sports Network: RSN)を$96億で買収した。DisneyはFox買収でRSNを得たが、すでにESPNを持っていることから買収の条件として手放す事になっていた。Sinclairが買収するDisneyのRSNにはニューヨークのYES(Yankee Entertainment and Sports)Networkは含まれていない。YESはその20%を持つNew York Yankeesを中心としたコンソーシアムが買収する予定である。
インターネット広告が$1000億を超える
Internet Advertising Bureau(IAB)の報告(http://bit.ly/2Q7GLEd)によると2018年のインターネット(デジタル)広告市場は前年の883億から21.8%の成長をし、$1075億になった。テレビ広告は$710億であったので、1.5倍の規模である。テレビ広告の昨年からの成長率は1.4%であり、差は広がっている。
DisneyがHuluの運営権を得る
HuluはDisneyのOTT戦略には欠かせないサービスであるが、Comcastが33%の株を持ち、完全な運営権は無い。例えば、ESPN+、Disney+とHuluをパッケージ化して売りたくても、Comcastが反対すれば出来ない。また、新たなコンテンツのために、Huluに投資をしたくてもComcastの同意が必要になる。しかし、強制的にComcastからHulu株を買おうとすれば、ComcastはNBCUniversalのコンテンツをHuluに提供しなくなるリスクがある。また、Comcastとしても最低でも自社のSVODサービスを2020年に開始するまでは、Huluを利用したいが、それ以後は自分のSVODでNBCUniversalのコンテンツを配信したく、Huluに独占配信権を与えることは出来ない。