俳優のストライキが終了

7月14日に始まった俳優のストライキは118日で終了した。俳優を代表するSAG-AFTRAの役員はスタジオ側のAMPTPが提示した今後3年間の契約内容に対して86%対14%で合意した。契約はSAG-AFTRAの会員による12月5日締め切りの投票までは正式にはならないが、ストライキは11月9日に終り、俳優は仕事にもどった。しかし、俳優がストライキする以前に、脚本家がストライキしていたので、ドラマ制作には6ヶ月の滞りがあり、テレビドラマの放送が再開するのは来年の2月以降になる。

Netflixが広告付きプランを始めて1年

Netflixが広告付きプランを開始して1年が経つ。Netflixの広告化は大きな話題であったが、CTV広告へのインパクトは大きくはない。Antennaの調査によるとNetflixへの新規加入者に占める広告付きプランの割合は2023年2月では17%であったのが、2023年9月では30%に増えている。広告付きプランの割合は広告無しのBasicプランが無くなった8月に大きくと増えている。広告無しのBasicプランを廃止したことは広告付きプラン加入者を増やすことに大きな貢献をした。新たに広告無しBasicに加入することは出来ないが、プラン自体は残っており、Netflixはこのプランを$10から$12に値上げしており、Basic加入者を広告付きプランに移行させようとしている。

Amazon Prime Videoの広告化

Amazon Prime Videoは2024年に広告付きプランを加える。SVODサービスが広告から収入を得始めるまでには通常は時間がかかる。Netflixは広告付きプランを加え、1年経ったが、アメリカ/カナダでの広告付きプランへの加入者はまだ4.5%である。DisneyはNetflixとは違い、豊富な広告に対する知識があるが、Disney+の広告プラン加入率は17%である。しかし、Amazon Prime Videoは1年目で大きな数の広告プラン加入者を得て、CTV広告のトップ5入をするであろう。

DTC事業の黒字化

ネットワークは視聴者を失っている放送事業からストリーミングによるDirect-to-Consumer(DTC)への転向を行っている。DTCサービスへの加入者を増やすためには競合のNetflixよりも価格を安く、さらに多くのオリジナルコンテンツを制作する必要がある。DTCサービスは当然、赤字でのスタートになる。サービスへの加入者が増え、評判が増せば、値上げが可能になり、ライブラリーが増えればコンテンツの制作本数も減らすことが出来る。さらに、広告付きプランを加えることで、新たに広告収入も得ることが可能になり、赤字を減らしていくことが出来る。現在はこの段階にある。

Bally Sportsの復活

破産から回復しようとしているDiamond Sportsの地域スポーツネットワーク(RSN)、Bally Sportsは最低でも数カ月間はサービスを続けることが可能になっている。バスケットボールのプロリーグのNBAはBally Sportsが放送してきた13チームの放送契約を2023-2024シーズンの終わりまで更新した。NBAはさらにBally Sportsの運営を助けるために契約金を16%程度下げたとも報道されている。