ATSC 3.0の1年

12月にテキサスのエルパソとルイジアナのバトン・ルージュでATSC 3.0での放送が開始したが、今年のもっとも重要なニュースは770万のテレビ世帯があるアメリカ最大の放送地域のニューヨークでの放送開始である。これによりATSC 3.0のリーチは全米世帯の70%を超え、昨年から22%の成長をした。また、フロリダ州マイアミとミネソタのミネアポリスではATSC 3.0局が2つになった。マイアミでは今年の1月にNBCとCBS、それにスペイン語ネットワークのUnivision、TelemundoがATSC 3.0での放送を開始しているが、新たにFox加盟局のWSVNとABC加盟局のWPLGもATSC 3.0での放送を開始した。WSVNが灯台局となり、ASTC 3.0に移行した。これにより、マイアミでは4大ネットワーク、それに2大スペイン語ネットワークの6ネットワーク局を含めた、11のチャンネルがATSC 3.0で視聴可能になっている。

TVネットワークのトップ15

Variety(https://bit.ly/48o3umV)によると、2023年で最も視聴者が多かったネットワークはNBCで453.7万人の視聴者があったが、前年からは12%の減少があった。2位はCBS、3位はABC、4位はFoxで、地上波ネットワーク以外でのトップはFox Newsで189.9万人の視聴者があった。Fox Newsは2016年にスペイン語地上波ネットワークのUnivisionとDisneyのESPNを抜き5位になって以来、地位を守っているが、前年から20%の視聴者を失っている。Fox Newsのピークは2020年で359.6万人の視聴者があった。ニュース専門チャンネルではNBCUのMSNBCが8位で、視聴者を2%している。CNNは20%の視聴者を失い22位になっている。2015年までは多チャンネル向けネットワークとしてはトップであったESPNは加入者を失っており、2023年の視聴者は1705万人であった。

ポッドキャストのブームの終わり?

音楽ストリーミングサービスの会社で、ポッドキャストに積極的に投資をしてきた、Spotifyが大きなレイオフを行った。これにより、ポッドキャスト・ブームが終わるとの予測が出ている。Spotifyのレイオフは今年で3回目である。1月には600人、6月には200人をレイオフし、年末にはさらに社員の17%に相当する1500人を解雇し、1年で合計2300人がSpotifyから去っている。

スポーツのストリーミング化

ドラマの視聴は放送よりもストリーミングで視聴されるようになっているが、スポーツ、特にNFL等のメージャーなスポーツの多くは放送で視聴されている。しかし、変化も起きている。最大の変化はAmazon Prime VideoがNFLのThursday Night Football(TNF)の独占権

FCCが多チャンネルの解約金を禁止する

FCCは12月に多チャンネルサービス事業者に対して、長期契約をした加入者に対する途中解約金を徴収することを禁止した。衛星とケーブルTV事業者は2年間等の契約を条件にサービス料を安くするなどしているが、契約完了前に解約すると解約金が請求される。ケーブルTV事業者を代表するNCTAはこの規則は消