スポーツのストリーミング配信

ドラマはオンデマンドでの視聴が当たり前になり、放送の重要なコンテンツはニュースとスポーツと言われていた。しかし、FASTの登場でニュースもストリーミングになり始めている。放送に残っているのはスポーツである。スポーツもストリーミングで見ることは出来るが、まだ放送が主体である。

リーグ/チームは試合をストリーミングすることに強い関心を示している。豊富な資金を持つテック系の会社と契約する魅力もあるが、それ以上に重要なことは若い、新しいファンを得ることである。放送に依存している限り、放送を見なくなっている若い世代をファンにすることは出来ない。また、ファン層が年取っていくのであれば、将来性も無くなる。しかし、スポーツをストリーミングで提供するには複数の課題がある。

2023年のUpfront

今年のUpfrontはこれまでのNielsenのカレンシーであったC3/C7の最後の年であり、混乱は必然的であったが、脚本家のストライキが混乱をさらに大きくしている。秋からのテレビシーズンまでにストライキが終わり、ドラマの制作を開始することが出来るのであろうか。Upfrontで広告契約をしても、ドラマが始まらなければ収入にはならない。

ストライキはNetflixのUpfront初登場にも影響を与えた。Paramount GlobalがUpfrontのプレゼンテーションを行わないことで空いた日付にNetflixがパリス劇場で、最初のUpfrontを行う予定であった。しかし、WGAのピケが張られることによる騒動を回避するために、プレゼンテーションは中止になり、オンラインで行われた。

SVODの成長が停滞

2023年Q1のSVODへの加入者数の増加は低かった。Disney+は前期に世界で240万人を失ったのに続き、Q1には400万人を失っている。Disney+の北米以外での加入者数は1.12億人で、その47%を占める5290万人はDisney+ Hotstarへの加入者である。Hotstarは元はFoxの事業で、DisneyはFox資産の買収でこれを得て、Disney+の一部になっている。主にインドでサービスを展開しており、重要なコンテンツの1つはホッケーのIndian Premier League(IPL)の試合であった。しかし、昨年にDisneyはストリーミングの権利をParamount Global系のJioCinemaに奪われたことで、加入者が減少している。Disney+ Hotstarの加入者はQ4とQ1では840万人も減っている。

Telly: 無料テレビのビジネスモデル

Pluto TVの創立者の一人が始めたTellyは55インチのTVを無料で提供する。システムは55インチのTV、サウンドバー、2つ目のディスプレイ、Android TVのドングルで構成される。55インチは通常のスマートTVとして使われ、2つ目のディスプレイはニュース等の情報と広告が表示される