脚本家は5月2日からストライキ入りをしている。すでに脚本が完了している番組の撮影は可能であったが、WGAメンバーがピケを張っているスタジオには他の組合メンバーも入らないので、制作は遅れていた。俳優もストライキ入りしたことで、AMPTPには属さないインディー系プロダクションで、SAG-AFTRAが承認した作品以外の映画、TVドラマの制作は完全にストップした。WGAとSAG-AFTRAのストライキが短期で終わっても、すでにスケジュールは遅れており、秋のシーズンに影響が出るのは確実になっている。
チャーンは避けられない
Hub Entertainment Researchの調査では利用しているビデオサービスの数は昨年の7.4個から減り、6. 4個になっている。利用しているサービスは減っているが、値上げにより使っている出費は増えており、サービスの数は減っているが、回答者の44%は昨年よりビデオサービスの出費は増えていると答えている。平均金額は$85で、25%の人はこれは適切な値段を超えていると考えている。しかし、調査に対する回答者の22%は利用するビデオサービスの数に上限は無いと答えており、35%は上限があるが、それには達していないと答えている。
スーパー・バンドルはチャーンを減らすか
バンドリングは1つの会社が、自社のサービスを組み合わせる物であった。ケーブルTV事業者はケーブルTVとブロードバンドをバンドルしており、DisneyはDisney+、Hulu、ESPN+をバンドルしている。自社のサービスだけでなく、他社のサービスとのバンドルもある。通信事業者の多くはNetflix等のサブスクリプション・サービスをバンドルしている。スーパー・バンドルはその進化で、2、3のサービスを提供するのではなく、数多くのサービスを提供する。スーパー・バンドルにはSVODが多いが、ビデオに限られない。Verizonの+Play(Plus Play)はNetflix、Max、Paramount+等だけでなく、音楽、ゲーム、学習、フィットネス等の多様のサブスクリプション・サービスのバンドルを提供している。
500チャンネルに近づくLocal Now
利用者が多いFASTサービスはRoku Channel、Pluto TV、それにTubiであるが、チャンネル数ではLocal Nowがトップである。Variety Intelligence Platformによると6月の時点で484チャンネルがあり、7月にLocal Nowは490チャンネルに達したことを発表した。
Local NowはPluto TV(Paramount Global)、Tubi(Fox)とは違い大手コンテンツ事業者の系列ではなく、FASTチャンネルを作るために豊富なコンテンツ資産がある訳では無い。Local Nowの親会社は21の地上波局、それにThe Weather Channelを持つAllen Media Groupである。Allen Mediaは大企業では無い。地上波所有会社としての売上はTV Newscheckによると$3.42億で14位であり、トップのNexstarの12分の1の規模で、The Weather Channel等を加えても$10億程度の会社である。